122 バレンボイム+クリス・マーネのピアノを聴きに行く前に。

 122 Beethoven: Piano Sonatas Nos. 1-6
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
Daniel Barenboim(piano)

(上記リンクから音源に飛びます。)

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「クリス・マーネのピアノ聴いてきて!」と言われたのは先週末のことでした😅😅
 それまでダニエル・バレンボイムが来日するというのはSNSで一応見知ってはいたのですけども、てっきり指揮者としてどこかのオーケストラを振られるのかと思っておりました。実は今回はピアニスト、としての来日でした。リサイタルがあるのは16年ぶりなんだとか。
 そしてこの演奏会には、バレンボイムが提案し、クリス・マーネ&スタインウェイが開発した特注品のピアノが共に日本にやってきたのです!(以下バレンボイム・ピアノと表記)

 まずバレンボイムとスタインウェイは知ってても、クリス・マーネのことをご存知無い方に。クリス・マーネはフォルテピアノ(歴史的ピアノ)のレプリカ製造なども行うピアノ製作者です。1795年製ワルターレプリカ(クリス・マーネ製造)という感じで、モーツァルトやベートーヴェンなどが作曲していた当時の楽器の数々を複製し販売しております。これらの楽器は日本の演奏会でも聴くことが可能です。
 フォルテピアノの演奏を比較的よく取り上げているこのブログ。私の中ではとてもおなじみの存在でした。

 ピアノにも当然開発の歴史があり、フォルテピアノ(歴史的ピアノ)は19世紀後半にスタインウェイ社(スタインウェイ&サンズ)が交差弦のピアノを生み出すまでずっと弦はまっすぐ一直線の「平行弦」という形を取っていました。
 18世紀半ばに誕生した最初のクリストフォリからプレイエル、エラールといったところまでずっとそうです。
 この間ピアノはだんだん大きくなり、木製のフレームは次第に金属が入り、やがて頑丈な鋳型を用いるようになり、ハンマーも鹿革からフェルトとなり、膝を用いたペダルは足踏みに。またダブルエスケープメントといった新機構など、どんどん時代の移り変わりとともに変化していきました。
 そしてスタインウェイが取り入れた交差弦が現代のピアノのスタンダードとなり、今コンサートにある漆黒のピアノはどこのメーカーも「交差弦」のタイプとなっています。
(こういったピアノの歴史に関しては、この本が楽しく読めて勉強になるので、ご興味ある方は是非どうぞ。)
 …なのですが、バレンボイムはそれに一石を投じたことになるでしょうか。確かにピアノは歴史の中で大型化し音も大きくなりました。その現在の形は維持しつつ、平行弦であることで、多くのクラシック作曲家が実際に弾いていた時代のものに様式が少しだけ近づきます。
 21世紀のピアノはどうあるべきか?といったところでしょうか。詳しくはこちらをお読みになって下さい。

バレンボイム・メーン・スタインウェイ(執筆者:岡田安樹浩) | ピアノ曲事典 | ピティナ・ピアノホームページ
バレンボイム・メーン・スタインウェイ 岡田安樹浩 2015年5月末、ピアニ...
 
 でもこのピアノ1台しかない(サイズ違いはあるようですけども)ので、2015年にこのピアノをバレンボイムがお披露目したときから我が家ではずっとずっと気になっていたのです。
「フォルテピアノの特性を21世紀にもたせたこのピアノ、一体どんな音色がするのか??」と。
 とはいえそんな斬新な楽器、ヨーロッパにでも行かないと聴くことが出来ないかとも考えていたのですけども、なんとこの楽器が今回バレンボイムさん本人とともに飛行機でやってきました。しかも次はいつあるのかわからないような話です。
 ということで…いつまで経っても初心者マークの取れないようなこの私が青天の霹靂、といった趣で明日6月3日にこのバレンボイムのコンサートに行くことになったため、急遽付け焼き刃としてこの音源をAmazonMusicUnlimitedで聴いてみることにしました😅
ピアノソナタ第1番ヘ短調作品2-1(1794年)
ピアノソナタ第2番イ長調作品2-2(1795年)
ピアノソナタ第3番ハ長調作品2-3(1795年)
ピアノソナタ第4番変ホ長調作品7(1797年)
ピアノソナタ第5番ハ短調作品10-1(1798年)
ピアノソナタ第6番ヘ長調作品10-2(1798年)
 この録音は2020年と、最新のものであるため、使用されているのもこのバレンボイム・ピアノなのかなぁ…と聴いているのですけども、何処にもそういった旨は載っていなくて…違っていたらどうしよう💦
 ただ音の粒立ちがとてもはっきりしているような気はするのですけども。
 この辺りは明日しっかりコンサートで聴いてこようと思います。その時はまた別の音源と合わせてご紹介しますね!!

 そして私は(特に最近)フォルテピアノでベートーヴェンの楽曲を聴く機会の方が大変多いため、聴き比べ用にロナウド・ブラウティガム(ブラウティハム)のベートーヴェンソナタ集もご紹介しておきたいと思います。
 一度に両方聴いてしまうと、ブラウティガムの方が自分には馴染みがあるのですけども(オイ)それは自分の好みがそうさせてるだけですから、アーティストの表現の違いをお楽しみ頂けたらと思います。

 Beethoven: The Complete Piano Sonatas

ロナウド・ブラウディガム(フォルテピアノ)

Ronald Brautigam(fortepiano)

(こちらも上記リンクから音源に飛びます。)

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そして更に別方向からのご紹介として、ベートヴェンのソナタ1~3番は(作品2)にあたりますから、作品1であるベートヴェンのピアノトリオをどうぞ。溌剌とした響きが大変魅力的ですよ!

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