176 ”Welcome The Queen.”と映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」

 176 The World Of Royal Music

(上記リンクから音源に飛びます。)

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 昨日、映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」を見てきました。
 タイトルからおわかりになるかと思いますけども、今年即位70周年(プラチナ・ジュビリー)を迎えたイギリスの女王陛下・エリザベス2世(1926年~)にまつわるドキュメンタリー映画です(動画は映画の予告編です。)
 
 もともと私個人はイギリスのロックバンドが好きでしたし、F1好きやBBCの自動車番組”Top Gear”にハマっていたり、新婚旅行はイギリスだったものですから、まぁそれなり位には英国に興味がある方ではないかと思います。
 何より、私は今回ご紹介する音源の中にも入っているアーサー・ブリスの”Welcome The Queen”[ようこそ女王陛下]という音楽にある底抜けの明るさがとても好きで、エリザベス女王のドキュメンタリー映画が公開されると知った時、そのことを思い返して劇場に足を運ぶこととなりました。
「ジョージ2世の戴冠式アンセム」より司祭サドク(ヘンデル/1727年)
メアリー女王のための葬送音楽(ヘンリー・パーセル)
アンセム「人われにむかいて言えるときわれ喜べり」(ヘンリー・パーセル)
 3つのブラス・クワイアーのためのアンティフォナル・ファンファーレ(アーサー・ブリス/1969年)
戴冠式行進曲「王冠」(ウィリアム・ウォルトン/1937年)
私は歓喜した(ヒューバート・パリー/1902年)
エリザベス王女とエディンバラ公の婚礼のためのファンファーレ(バックス/1947年)
行進曲「ようこそ女王陛下」(ブリス/1954年)
戴冠式テ・デウム(ウォルトン/1952年)
帝国行進曲(エルガー/1897年)
戴冠式行進曲「宝玉と勺杖」(ウォルトン/1953年)
イギリス国歌「神よ女王陛下を守り給え」(ブリテン編曲)
 先に今回ご紹介の音源について触れておきますけども、”The World of Royal Music”という題でありながらほぼイギリス王室に関する楽曲が並んでいます。
 最初の3曲は17~18世紀のバロック期のものですけども、司祭サドクは戴冠式のときに必ず演奏されるものだそうです。あとは19世紀末ビクトリア女王期からの音楽なので、作りとしては新しい、しかし荘厳な感じの音楽が繰り広げられます。
(儀式用だからかパイプオルガンを多用したものも多いですね…イギリスのロックってこういうところにも影響しているのでしょうか??)
 ウィリアム・ウォルトンなどは、エリザベス女王の父ジョージ6世と、エリザベス2世と両方の戴冠式行進曲を手掛けているので聴き比べるのも面白いです。
 そんな中でもブリスの「ようこそ女王陛下」はちょっと異色な感じもします。映画のエリザベス女王のチャーミングさがそのまま思い浮かばれますね。

 一方映画の方は「いくつかのテーマに沿ってあまり説明なくエリザベス女王の幼少時から現在までの”Your Majesty”と人間性について膨大な記録から抜き出し、それら記録映像と、これまた多様なフィクションものとを映像で絡めて、女王とイギリスという国家のキャラクターとして表現している」感じを受けました。
 エリザベス女王の立場や状況を表すのに、まさかスタートレックやピーターパンとか出てくるとは思いませんでした。ビートルズ位ならばまぁそうよね、なんですけども、つなぎの要素が意外なものがとても多いです。

 こういったコラージュ的表現について、見る側が「それまでどれだけイギリス文化や英国らしさに触れていたか」でこの映画の評価は変わるかと思います。
 自分は先に書いたようにイギリスに対して多少は興味を向けていたのでそれなりに楽しめましたけども、それでも全てがわかったとはとても思えませんでしたし、エリザベス女王のドキュメンタリー映画として、歴史的知識を得るためだけに映画を観に行こうとすると大いに肩透かしを食らう可能性があります。その点はお気をつけて頂きたいと思います。

 映画で使われていた音楽も…それが女王陛下にまつわるテーマであってもロックやポップスが殆どで、今回の音源のようなものは殆どかかりませんでした😂
 用いられたクラシック音楽の中で自分が分かったのは「ヘンデル・水上の音楽」と「モーツァルト・クラリネット協奏曲の2楽章」くらいでしたしょうか。
 こちらも探してみましたのでAmazon Musicサブスクに入られている方は是非聴き比べてみて下さい!
 
ジョルディ・サバール(指揮) ル・コンセール・ド・ナシオン
Jordi Savall(conductor)Le Concert des Nations
(上記リンクから音源に飛びます。)
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マルティン・フレスト(クラリネット・指揮)ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団
Martin Fröst(clarinet・condctor)Die Deutsche Kammerphilharmonie Bremen
(上記リンクから音源に飛びます。)
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