147 ブロムシュテットさんを聴きに行く。

 147  Stenhammar: Symphony No. 2 in G Minor, Op. 34 & Serenade in F Major, Op. 31 (Live)
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)エーテボリ交響楽団
Herbert Blomstedt(Conductor) Gothenburg Symphony

(上記リンクから音源に飛びます。)
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 昨晩(2021年10月28日)NHK交響楽団第1941回定期演奏会に行ってきました。…すみません、私ヘルベルト・ブロムシュテットさん初体験です…。
 ほぼ毎年のようにN響で指揮されているから何回も行くチャンスあったはずなのですけども、御年94歳と聞いてから一回券を買ったミーハー丸出しです😅

 ただ、「聴けるうちに聴いておいたほうが良い」というのも勿論なのですけども、(もう5年前ですがアカデミー管弦楽団のネヴィル・マリナーの最後の公演を聴けたのは寂しくも心に残る思い出です。あの時も91歳のマリナーさんはとてもお元気でしたからあの感じでしたら来年もN響来るだろうと思い楽しみにしていたのですけども…。当然とは思ってはいけないものです。)このコロナ禍で、しかも定期演奏会プログラム3つ分・1ヶ月の日本滞在って一体この方の身体の構造はどうなっているの??という間の抜けた疑問は、演奏会が始まってから更にびっくりしました。
「滅茶苦茶お元気というか、至って普通に指揮されているじゃない…。」
 流石に歩き方に少し年齢を感じましたけども、それもまぁそうですよね、と思うくらいでステージの行き来も背筋も終始シャキッとされていました。94歳という年齢の響きを遥かに超越したびっくりが確かにありました。ありましたけども…
 それ以上に、メインのベートーヴェン「運命」が21世紀の音楽している!ことが私には一番の驚きでした!!
 マエストロに対して情熱を持って演奏している演奏側に対してとてもスマートで、見通しが大変良くメイクプランもバッチリ。もっと重厚な、往年のタイプでの演奏で来るのかと思っていたこともあり、この意外性が私を大変惹きつけました。
 帰ってからブロムシュテットさんの録音された運命も少し聴きましたけども、録音が古いのかN響での演奏とは全然違う!嗚呼、ブロムシュテットさんにとって音楽は今現在も日々大いなる研究と表現の対象なんですね…。そう実感でき、差し支えなければまた是非来日していただきたいなと思いました。
 その時は必ず演奏会行きます😊


交響曲第2番ト短調作品34(1915年)
セレナード ヘ長調 作品31(1919年改訂)
 折角ブロムシュテットさんの演奏会が素敵だったのだから、今回Amazonの聴き放題からご紹介する音源もブロムシュテットさんで紹介したいと思うのは当然のこと。…なのですが大変苦戦しました。
 というのもAmazon Musicで”Blomstedt”と検索しても、先に書いたように録音が古いとまるで様式感が違っていて、私としてはあのモダンで今を生きるブロムシュテットの音楽に近いものを!と思ってしまうのでNG。かといって知らない現代音楽を試してみても…うーんわからん😨(そのうち親しめるようになるんでしょうか…)
 諦めかけた時、”Stenhammar”と検索したら…あ!ブロムシュテットさんの最近のお顔のアルバムがある!ととても嬉しくなりました。(何故かこのアルバム、Amazonではブロムシュテット指揮とはクレジットされていませんでした…。こんなにジャケットいっぱいにお顔が写っているのに!)

 ステンハンマルは、20世紀初頭に活躍したスウェーデンの作曲家・指揮者です。
 昨日のN響でも「セレナード」が演奏され、可憐な音楽だなぁと思って聴いていました。(ただしセレナード→機会音楽の印象が私には強すぎました。ステンハンマルはもう20世紀の方ですから、モーツァルトのように、夜の催事でのBGMとして作曲されたわけではないのですね😅)音源を聴いてみたら「これ、これよ!」とすぐさま昨日の演奏会での印象を思い出しました。
 はじめて聴く交響曲第2番もとても格好いいです。今度この交響曲をN響で聴けないかしら…。

 昨日は演奏会が終わり、指揮者退場~楽団員も挨拶して退場したあとも拍手喝采(声が出ていたわけじゃありませんが)が鳴り止まず、最終的にブロムシュテットさんがお一人出てこられて、サントリーホールは大変盛り上がりました。
 勿論あの驚異的な、何かを超越したような94歳であることばかりが注目されるのは致し方ない(私もそのひとりですし)と思いますけども、いやそうでなくて、 音楽への真摯な姿勢と柔軟さから引き出されたのは、本当にスマートで格好良い音楽でした。
 あまりに遅くなってしまったかもしれませんけども、ブロムシュテットさんの今後の音楽にも期待したいなと思います。
 でもまず、お元気でお戻り下さい!そしてもしお嫌でなかったらまた日本に来て下さい!!

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