80 ハイドンの交響曲は組み合わせ自由自在。

80 ハイドン:交響曲集 Vol. 6 第 39番、第 61番、第 73番「狩り」
飯森範親/日本センチュリー交響楽団
Norichika Iimori(conductor)Japan Century Symphony Orchestra
Haydn 2032, Vol. 1: La Passione
ジョバンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコ
Giovanni Antonini(conductor) Il giardino armonico

(リンクから音源に飛びます。)
~この画面は広告です!~
 今回は欲張って2枚ご紹介です^^;いやどちらも素晴らしかったものですから。
 これは同じ食材を「和食かイタリア料理か」で調理した違いのようなものだと思っていただければ幸いです。(先にどちらを取り上げようか悩んだほどです)
 先日NHKFMで日本センチュリー交響楽団のハイドン・マラソンが取り上げられていたので、ではちょっと復習も兼ねてなにか一枚聴いてみようと選んでみたのが始まりでした。
 「なにこれ、39番めちゃくちゃいい曲じゃない!」と冒頭の交響曲に感激しました。なにせハイドンの交響曲は104曲(+α)もあるので、私にはまだまだ知らない世界ばかりなのです…。
 それで39番ト短調の他の演奏はないかなぁ…と探してみたら、ジョバンニ・アントニーニのこれまたハイドン全集を目指している”Haydn2032”シリーズの1番、しかも冒頭がこの交響曲第39番なのです。39番はよほど掴みが良いんでしょうか?
 しかしどちらのアルバムも聴いていて大変心地よい気分にさせるのですけども、交響曲39番が冒頭に来ているのはどちらも同じであるにも関わらず、他の組み合わせが異なります。

飯森範親/日本センチュリー交響楽団は
交響曲39番ト短調(1765頃)
交響曲61番ニ長調(1776年)
交響曲73番ニ長調「狩り」(1782頃)
ジョバンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコは
交響曲39番ト短調(1765頃)
(こちらには”tempesta di mare”嵐の海という副題がついている)
グルック バレエ音楽「ドン・ファン」(1761年)
交響曲第49番 ヘ短調 「受難」(1773年)
交響曲第1番 ニ長調(1757頃)
 Haydn2032シリーズは必ず他の作曲家(同時代だったり類似だったりテーマは色々)の作品が一曲入る異色の全集となっていますけども、確かに39番のあとでこのグルックのドン・ファンを聴くとああなるほど、と頷けるし、そこから49番→全集最初の一枚なのに1番を最後に持ってくる構成も見事な感じがします。
 一方ハイドン・マラソンの方もこれまた凄く素敵な組み合わせなのですよ。こちらはリズムのとり方が似ているのかな…。61番の鳥の鳴き声のような響きや、73番の1楽章の躍動などはとても心地よいです。(ただこの73番、最終楽章が何故かオペラ「報われた誠」の序曲だったりするので、先にオペラ序曲集を聴いてしまっていた事もありどうもここはズッコケます^^;先にこっち知っていたら印象が変わっていたのかな…。ハイドン先生よほど忙しかったのかな…。)
 先にも書いたようにハイドンは104曲も交響曲を作られたので、順番に並べて聴くのも大変ですけども、かといって全てが順番通りに作曲されているわけではないみたいなので、こういった「アルバムを聴かせる構成力」もまた、ハイドンを輝かせるのかなぁという風に思います。
 どちらの演奏も大変優雅で快活、21世紀のハイドンにふさわしいと思います。良かったら聴き比べてみて下さい!

追記
 このブログではハイドン・マラソンもHaydn2032の他の音源も取り上げています。良かったらこちらもどうぞ。
 あ、オペラ序曲集もね!
(↑に入っているヨーゼフ・マルティン・クラウスの交響曲ハ短調VB142も素晴らしいのでぜひ一度!)

コメント