81 6月8日はシューマンの誕生日。

81 Schumann & Brahms: Concertos
アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)、マキシミリアン・ホルヌング (チェロ)、アンドルー・マンゼ(指揮)/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
Antje Weithaas(violin)Maximilian Hornung(cello)Andrew Manze(conductor) NDR Radiophilharmonie  

(リンクから音源に飛びます。)
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 何となくSNSを見ていたら、今日6月8日はシューマンのお誕生日(1810年6月8日生まれ)なんですね。生誕210周年ということになりますでしょうか。
 それでシューマンの何かを取り上げようと思い最初はピアノ協奏曲を探していたのですけども、…個人的に手持ちにあるペーター・レーゼル(ピアノ)・クルト・マズア指揮のもの以上に気に入ったものが見つからず、さてさてどうしようかと思ったところに見つけたのがこのヴァイオリン協奏曲でした。
 ※ペーター・レーゼルが弾くピアノ協奏曲はAmazonの聴き放題にもあります。ご興味ある方はこちらのリンクから辿ってお楽しみ下さい(画像は広告です。)
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 シューマンのバイオリン協奏曲は、友人のヴァイオリニストであるヨーゼフ・ヨアヒムさんに依頼されて(ヨーゼフ・ヨアヒムについては以前「F.A.Eソナタ」の項目でも登場しています後述するようにブラームスともお友達でもありました。)1853年に作曲したものの何故かヨアヒムさんはこの音楽を演奏することなく封印され、実際に演奏されたのは1937年になってからというまた謎めいたものになっています。
 シューマンは晩年精神の病でライン川に身投げしたりしていますし、奥さんのクララ・シューマンに最終期の作品は破棄されてることを思うに、やはりこの音楽にもあまりに危うい感じを覚えたのでしょうか。
 21世紀の今を生きる私などは、シューマンのその儚く脆さも内包する矛盾した音楽がとても魅力的に思えるのですけども、19世紀にはあまりに早すぎた存在なのかもしれません。
 バイオリン独奏以外の部分などはいかにもシューマンだなぁ!という交響曲的な響きも随所に聴こえてきて、大変聴き応えがあります。
・シューマン ヴァイオリン協奏曲ニ短調(1853年)
・ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調(1887年)

 カップリングのブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲はシューマンより30年以上後になって作曲されていますけれども、これも友人ヨーゼフ・ヨアヒムとの(この時大喧嘩していた)和解を狙って作曲されたものです。一般的には恐らくブラームスのこのメロディの方が有名かとも思いますけども、歴史の連続性を感じられる組み合わせであり、どちらもヴァイトハースでの美音で楽しめるのもまた、この音源の素晴らしいところではないかと思います。

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