164 ボッケリーニが別れの挨拶。

164 Luigi Boccherini: Fandango, Sinfonie & La Musica Notturna Di Madrid
ジョルディ・サヴァール(指揮)、ロルフ・リズレヴァント(ギター)ル・コンセール・デ・ナシォン
Jordi Savall(conductor)Rolf Lislevand(guitar)Le Concert Des Nations

(上記リンクから音源に飛びます。)
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 この2月の金曜日からの3連休は(体力のない私には大変珍しく)3日とも演奏会に出かけておりました。
 どのコンサートも素晴らしかったのですけども、中でも2月12日(土)長岡京室内アンサンブル・東京公演はとても思い入れの深い一日となりそうです。
 長岡京室内アンサンブルは文字通り京都府長岡京市が地盤の森悠子さんが1997年に結成した弦楽アンサンブルで、「指揮者なし、奏者の耳でハーモニーを作る、ひとりひとりの個性を尊重する」ことを旨とした音楽活動をしています。
 この形式は演奏会のスタイルとしてもとても変わっていて、曲目や会場によって各奏者の立ち位置が異なり、時には「え、どうして??」とびっくりするくらい、誰もがあちこちばらばらの方向を向いていたりすることもあります。でも「これが」驚くばかりの透明感ある響きをもたらしているのです。是非一度ご体験していただきたい…。(HPに動画が3本ありますのでそちらでもその魅力を体感できるかと思います。こちらにも一つ、チャイコフスキーの弦楽セレナーデ全曲を載せますね。)
 なのですが、音楽監督である森悠子さんも喜寿ということで、アンコールのボッケリーニとともに、東京公演は今回が最後である、というアナウンスがなされました。
 アンコールの曲は私知らなかったのですけども、とても楽しい音楽で、それまでニコニコしてプログラムの美しさと楽しさを満喫していたのですけども、この発表と共に寂しい気持ちもいっぱいになりました…😭
 ※京都および関西方面の方は、恐らく今後も公演があるかと思いますので、その時は足を運んでいただきたいと思います。
ギター五重奏曲第4番ニ長調 G.448「ファンタンゴ」(1798年)
交響曲ニ短調作品37-3 G.517「神のもの」(1786年)
交響曲イ長調作品35-3 G.511(1782年)
小弦楽五重奏曲ハ長調作品30-6 G.324「マドリッドの夜警の行進」(1780年)
 今回Amazon Musicサブスクで取り上げたのは、その長岡京室内アンサンブルで演奏されたアンコール曲が何だったかを知りたかったのでボッケリーニにしてみました。
 ボッケリーニはチェロ協奏曲で有名な方ですし、チェロを弾く肖像画なども割と知られていますけども私は活躍した時代とかさっぱり分かってなくて…。実はハイドンやモーツァルトと同時代人なのですね。しかも長年スペインの王宮に仕え、マドリッドに在住していたことが独自の作風を生み出していたという話で、かつ交響曲や室内楽を沢山書かれていたことは今回はじめて知りました。

 長岡京室内アンサンブルのアンコール曲はアルバム最後の「マドリッドの夜警の行進」でした。これだけでも大変ユニークな楽曲で記憶に残る旋律ですけども、音源に収録されている他の交響曲2曲やギター五重奏曲も大変私好みで、こりゃ2022年はボッケリーニをもっとしっかりチェックしないと!と思わぬ「別れからの出会い」ともなったのでした…。

 リンクは今回のアルバムの奏者であるジョルディ・サヴァールから、時代は違いますけどもジャケ聴きしたジョン・ダウランドをどうぞ。
 サヴァールは他にもブログで取り上げたい音源が既に幾つかあるので、追々そう出来たら良いなと思います。

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