155 第九とチャイコフスキー。

 155 Tschaikowsky: Pathétique - Meisterwerke
ミハイル・プレトニョフ(ピアノ、指揮)ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)フィルハーモニア管弦楽団/ロシア・ナショナル管弦楽団
Mikhail Pletnev(piano,conductor)

(上記リンクから音源に飛びます。)

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 今回は2021年12月20日・東京オペラシティで行われた新日本フィルハーモニー交響楽団の第九(指揮・鈴木秀美)についての感想が中心になります。…けども一応このブログはAmazon Musicのサブスクについての話題もしているので、まず先に今回の音源をご紹介。
 先日Amazon Musicのアプリを見ていたら、トップページのおすすめの音楽にこのアルバムが突如登場してきておお!となりました。
 ちょうど10年前の今頃、私が手掛けているもう一つのブログ「絶対秘密。」の前身について作業中で、その時夢中になってよく聴いていたCDだったからです。久しぶりに聴きましたけども、まさかAmazonが率先してこちらを紹介してくるとは。思いがけない流麗なピアノ協奏曲との再会に嬉しくなりました。
 チャイコフスキーの代表曲が存分に盛り込まれていますので、良かったらBGM代わりにお楽しみ下さい。(第九となんにも関係ないけど…😅)
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(1875年)
交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」(1893年)
 さて、では昨日のコンサートの感想について書いていきます。
 こちらの第九は、シモーネ・ヤングが新型コロナウイルス・オミクロン株の影響により来日が不可能となり、急遽鈴木秀美代役という形となったものです。
 この時期年末の第九はどこのオーケストラでもおなじみの光景ですけども、指揮やソリストに外国人を予定していた楽団は、12月頭に突然入国不可の措置とされたことでてんやわんやとなったことと思います。この新日本フィルハーモニー交響楽団での顛末はNHKの朝のニュースでも取り上げられたりもしました。
 私は鈴木秀美さんのファンなので、この交代劇にむしろ湧いてチケットを買ったタイプですけども😅昨年神奈川フィルハーモニー管弦楽団ですごく厳かな、祈るような響きの第九がとても良かったことが記憶に新しいものの、果たして代役でしかも4日間も同じ演目、かつ全て違う会場で、オーケストラのモチベーション的にはどのようなものだろうか?悪い意味でのルーティンみたいなことにならないだろうかと心配も幾許かあったのも確かです。(私が出かけたのは公演最終日でした。)
 結果を先に書けば、それは全くの杞憂だったばかりか、むしろ新日本フィルハーモニー交響楽団の鈴木秀美さんへのリスペクト溢れるピリオド・スタイルの素晴らしい演奏、神奈川フィルのときとはまた違った「イケイケドンドンとは違う、熱さの中にも明解な意思を持った緩急自在な第九の音楽」に大変感激しました。
 あの日の演奏に文句があるのであれば、それは恐らく「このブログで取り上げている音楽とあなたと好みではご趣味が合わないのでしょう」とも言い切れるのではないかとも考えます。
 そして年末の第九は祝祭ムードを満喫するためか、普段コンサートに足を運ばれない方も多くいらっしゃるため、一方で事故やトラブルも絶えない印象がありますけども、このコンサートは皆さん集中して聴いてくださっていたのもとても嬉しかったです…😂(ぐんぐん音楽に引っ張られ、大変迫力あって心と耳が離さなかったのだと思います)はじめて聴いた生のオーケストラがこちらの公演だったならば、大変羨ましい体験になったのではないかと感じています。
 代役に選んで下さり、高いモチベーションでマエストロと共に音楽を作り上げて下さった新日本フィルハーモニー交響楽団の皆様大変ありがとうございました😌
 また4名のソリスト+32名の合唱(今回最初から後方で着席していました)もホールにバランス良く収まり、手薄どころかあれ以上人数がいたらバランスが崩れていたのではないかと思うくらい素敵でした。コロナ禍で色々対策が求められた故の措置では有るものの、今後の第九の演奏会でも、演奏スタイルによっては見直されるべき所でもあるのかもしれません。

 ※今回の新日本フィルハーモニー交響楽団の第九は初日(17日・サントリーホール)での演奏を配信サイトCurtain Callでも聴くことが出来ます。(有料・1500円。12月30日まで視聴可能)もしご興味ありましたら是非お試しになったください。
 ブログからは第九…となると鈴木秀美さんのお兄さんでもある鈴木雅明さん&バッハ・コレギウム・ジャパンの第九をご紹介しておきますね。こちらも事あるごとに聴きたくなる一枚です。

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