154 メンデルスゾーンの姉ファニー。

154 Fanny & Felix Mendelssohn: Piano Trios
アトランティス・トリオ
The Atlantis Trio

(上記リンクから音源に飛びます。)
~この画面は広告です!~
 師走は出かけるコンサートが結構ありそうです。
 2021年12月7日に渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホールにて「トリオ・ハービッヒ~甘美な歌Vol.2」に出かけてきました。

 グループ名になっているハービッヒとは、コンサートにも用いられた1835年製フォルテピアノの製作家の名前です。
 フェリックス・メンデルスゾーン(1809~47年)の実姉である、ファニー・メンデルスゾーン(1805年~47年)の作品に光をあてた、デビューアルバムをリリースされた直後の公演となりました。CDも大変魅力的なので、今回のピアノ三重奏曲との聴き比べだけでなく、彼女の音楽感を掴むためにも良かったらお買い求め下さい。 
(画像とリンクは広告です)


ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル 室内楽曲集

 しかしコンサートではじめて聴いた、ファニー・メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲には大変驚かされました。
 ファニーとフェリックスの姉弟はふたりとも幼い頃から裕福な家庭で音楽教育を受けてきましたが(なにせ毎日曜日自分の楽団で演奏会を開いていたというのですから…)ファニーのほうがフェリックスよりも高い評価を受けていたというのはびっくりです。
 しかし当時は今よりも遥かに女性の地位は低く、例え教育は受けられても弟と違い家族の反対で中々デビューが出来ず、結婚後、夫の支援もあってようやくフェリックスの作品を演奏したり自作の作品を発表ができるようになったところで、ピアノ三重奏曲の完成直後に他界してしまったという悲運の女性でもあります。(ところでファニーもフェリックスも同年に若くして亡くなっていて、二人共脳卒中だったということなんですが、家系もあるんでしょうけど当時の食生活とかも関係あるのかな…。)

 でもこのお姉さんのピアノ三重奏曲聴くと…あまりにエモい。
 フェリックスのピアノ三重奏曲は2曲とも光と影が順次交差するような世界に鋭い音波で出来たようなビッグウェーブを感じるのですけども(なんだか怪しい宗教のようなことを書いてしまってすみません。上手に表現できないものです…。)ファニーのピアノ三重奏曲はこれまたダイナミックな大波。情熱的に奏でられるフォルテピアノの音形が私達を掴んで離さないように感じられます。
ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調 作品66
(フェリックス・メンデルスゾーン・1845年)
ピアノ三重奏曲作品11
(ファニー・メンデルスゾーン・1847年)
 このトリオ・アトランティスの音源、実はこの2曲だけでなく、この後各曲についての解説のようなものがたくさん入っているのですけども、英語なのですみません私にはさっぱり分かりませんでした😂
 ただ鑑賞BGMとしては途中からトークに入ってしまうと用いづらいので、いっそのこと、と「メンデルスゾーン家のピアノトリオ集」としてプレイリストを作ってみることにしました。
 メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番(1840年)はとても有名ですから、それならばと、知名度の低そうな順…ファニー・メンデルスゾーン→フェリックスの2番→フェリックスの1番とを、同じアトランティス・トリオで並べてみました。
 ただし、やたらとエモいプレイリストが出来上がってしまったので、高揚のしすぎにはくれぐれもご注意下さい😤(タイトルクリックで再生できます。視聴もどうぞ)

 それ以外に…アトランティス・トリオのベートーヴェンやファニー・メンデルスゾーンだけでない女性作曲家の音楽もよかったらお楽しみ下さい。

コメント

木曽のあばら屋 さんの投稿…
こんにちは。
ファニー・メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲、大好きです。
たしかにエモさというか情念の面では弟を凌駕しているように思います。
形式的にも弟よりはるかに大胆な気がします。

私も自分のサイトにこの曲について書いています。
よろしければ御笑覧ください。

http://kisonoabaraya.qcweb.jp/fanny.html
チーク さんの投稿…
木曽のあばら屋様

 どうもはじめまして。コメントどうもありがとうございました。きっとTwitterでも良いねしてくださっていますよね。検索からいらしたのでしょうか。とても嬉しいです。
 私は先日はじめてファニー・メンデルスゾーンの楽曲を聴いた位の感じですので素人丸出しですが(フェリックスはイラストを使っているようにとても好きです)凄いなーこれ…とコンサートを聴いてとてもびっくりしました。
 もうお持ちかも知れませんがトリオ・ハービッヒのデビューCDは全てファニー・メンデルスゾーンの楽曲でまとめられ、ライナーを小倉貴久子・川口成彦両氏が書いています。良かったら手にとって見てください!
 クララ・シューマンとの交流も晩年あったようで、もっと長生きしてほしかったですよね…。多分クラシック音楽の歴史がそれなり以上には変わったことと感じられます。

 HPのご紹介もありがとうございます。クラシック音楽に限らず様々な音楽を楽しまれているのですね!ポピュラー系は自分は疎いですけども、あちこち巡ってとても楽しかったです\(^o^)/
 また良かったらこちらも覗いていただければ嬉しいです。