107 古典派とロマン派の間、チェルニー。

 107 Czerny: Piano Trios
サミュエル・ジンハー(ピアノ)シン・ソニョン (バイオリン)ベンジャミン・ハイエク(チェロ)
Samuel Gingher(piano)Sun-Young Shin (violin)Benjamin Hayek (cello)

(上記リンクから音源に飛びます。)

~この画面は広告です!~


  ちょっと記すのが遅くなってしまいましたけれども、先週の金曜日に「小倉貴久子のフォルテピアノの世界第2回」を聴きに豊洲文化センターに行ってきました。
 カール・チェルニー、フェルディナント・リース、ヨハン・ネポムク・フンメルという三人の作曲家の室内楽を取り上げたものとなっていました…と書いてもなんのこっちゃ、となられる方もいらっしゃるかも知れません。
 チェルニーとリースはベートーヴェンの弟子、フンメルは当時ベートーヴェンのライバルと目された人物で、彼はモーツァルトの弟子に当たる方です。
 ベートーヴェンとほぼ同時期に活躍した彼らの音楽は一体どのようなものであったか?という内容となっていましたけども、私は以前浜松でフンメルの大七重奏を聴いており、とてもとてもエモーショナルで大変お気に入りとなり、またこの音楽を生で聴けることばかりに気を取られておりました😅
 でも、コンサートは最初チェルニーの「ピアノ、クラリネット、ホルン、チェロのための協奏的大セレナーデ 変ホ長調 作品126」から始まったのですけども、あらこれまたいい曲じゃない!😊と俄然チェルニーにも興味が湧いてきました。
 チェルニーと言うとピアノを習ったことのある方の多くが遭遇する「練習曲集」で有名ですけども、小倉貴久子さんもまたご幼少の頃にこの楽譜に接し、裏に「チェルニー嫌い」と書いていたという面白いトークが繰り広げられました(演奏会当日はこの練習曲集からも2曲演奏されました。自分はピアノを習っていないので分かりませんけども、プロが演奏すると流石の流麗な響きですけども、短い中にも技巧を求められている感じがとてもしましたね…。)

 画像はこのコンサートアンコールの様子です(この間だけ写真OKという大サービスがあり撮ってみました!ピアノは1845年シュトライヒャー製です。)

 それで、小規模なのにオーケストラの様な音楽の響きとセッションのような面白さ、知られざる名曲満載のコンサートに大満足して帰宅…したのですけども、せっかくこんな素敵な出会いをもたらしてくれたのだからチェルニーについて何か復習してみよう、と選んでみたのが今日の一枚です。
バイオリン、チェロとピアノのための華麗な三重奏曲 ハ長調 Op. 211, No. 1
バイオリン、チェロとピアノのための華麗な三重奏曲 イ長調 Op. 211, No. 2
ピアノ三重奏曲 ト長調のためのソナチネ Op. 104, No. 1
ピアノ三重奏曲 ハ長調のためのソナチネ Op. 104, No. 2
ピアノ三重奏曲 イ短調のためのソナチネ Op. 104, No. 3

 いや最初、練習曲集を選ぼうかなとも思ったのですけども、技巧!というよりも音楽の明るさを求めてみました。(練習曲集という意味ではこういった音源もあります。良かったらこちらもどうぞ。AmazonMusicUnlimitedの方は下記リンクから直接聴くことが出来ます)

ツェルニー 50番練習曲 [全音楽譜準拠] (監修: 藤原亜美) [DISC-1]

~この画面は広告です!~

 こういったテクニックを求めるものとはまた違ったチェルニーの朗らかさをこのピアノトリオ集では一心に感じる事が出来るのではないでしょうか。明るいベートーヴェンと呼ぶことも出来るのかも知れませんけども、私はシューベルトにも通じるようなロマン派への橋渡しをとても強く思うのでした。

 小倉貴久子さんを通じてまたひとりお気に入りの作曲家を増やして頂いたと感じております。(コンサートは次回6月25日(金)にタンゲンテンフリューゲルとジルバーマンを用いたバッハゴルトベルク変奏曲が行われます!こちらもとても楽しみ!チケットも発売中です。)


 そうそう、コンサートで演奏されたフンメルの大七重奏については以前ブログでも音源をご紹介しております。ぜひ一度お試しになってみて下さい!

そしてリースについてはこちらもどうぞ。

コメント