106 「舟歌」といえばフォーレ。

106 Fauré: Les treize barcarolles
ビリー・エイディ(ピアノ)
Billy Eidi(piano)

(上記リンクから音源に飛びます。)

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 私は現在の所Amazonの聴き放題、Amazon Music Unlimitedをとても気に入って入るのですけども、1つだけどうにか改善して頂けないかと思うところもあります。
 それはニューリリースについてです。
 一応クラシックやポップス等、主だったジャンル分けはなされているものの、クラシック音楽の新譜を見ようとすると「ゴスペル及び賛美歌」か「良くわからない寄せ集め」が大量に現れ、探し出しにくくなっています。

 それでも以前はそういった異種、あるいは玉石混交の中にも注目すべき音源を見つけることはそれほど難しくはなかったのですけども、最近はちょっと…😣
 一応このブログのためにも時々確認しているものの、正直今はこの機能を活用できていないように思います。
 まずジャンルをもう少し細分化して頂けないかとも考えてしまいます。

 ただ前者はともかく、後者については本当に眉をひそめるところがあります。実は今回の音源に辿り着いたのもそういった新譜を探していたのがきっかけでした。
 ようやく「あ、フォーレだ」と思われるものを探し当て聴いてみたものが、あれ、何だか変だなぁと思ってよく耳を澄ませてみたら、なんと電子音での演奏でした😅オーケストラでのアレンジ伴奏とされるのも全てそう。
 さすがにこれには頭を抱えました…。
 勿論BGMなどでこういったものがお好きな方がいらっしゃることも別段否定はしませんけども、クラシック音楽のシンセサイザーアレンジであるとクレジットされておらず、またジャケットもなんだかそれらしい画像とデザインが成されていたので、ここまで来るとちょっとまがい物風情すら感じさせました。
 でもせっかくフォーレのアルバムだということだから、では本来はどんな音楽だったの??と楽曲名から改めて検索し直したのが今回の一枚、「フォーレの舟歌全曲集」になります。

舟歌第1番 イ短調 作品26(1881年)
舟歌第2番 ト長調 作品41(1885年)
舟歌第3番 変ト長調 作品42(1885年)
舟歌第4番 変イ長調 作品44(1886年)
舟歌第5番 嬰ヘ短調 作品66(1894年)
舟歌第6番 変ホ長調 作品70(1895年)
舟歌第7番 ニ短調 作品90(1905年)
舟歌第8番 変ニ長調 作品96(1906年)
舟歌第9番 イ短調 作品101(1908年)
舟歌第10番 イ短調 作品104/2(1913年)
(夜想曲11番と対になっている)
舟歌第11番 ト短調 作品105(1913年)
舟歌第12番 変ホ長調 作品106bis(1915年)
舟歌第13番 ハ長調 作品116(1921年)

 ”barcarolle”というと舟歌、で、私はこれが夜想曲(ノクターン)や練習曲(エチュード)などと並ぶピアノにおける小品作風のひとつであることを全く知りませんでした😅(舟歌、というと八代亜紀しか思いつかず…)お恥ずかしいお話です。
 あ、でもメンデルスゾーンは「ヴェネツィアのゴンドラの唄」を作っているか。
 この舟歌を生涯に渡って作曲していたのがフォーレで、まさにゆったり、ゆらぎを感じるような穏やかな水をたたえたようなフレーズが(作曲年代による作風の変化はあれど)とても心地よく感じられ、BGMとしてもよし、しっかり聴き込んでもよし、と大変素晴らしい味わいになっております。
 元の音楽が魅力的だから、ついアレンジして電子オーケストラを付けちゃうのも、分からないでもないかな😂
 でも今回のビリー・エイディ(やっぱりフランスの方なのですね)が奏でるフォーレは、ピアノ好きに限らず、本当、どなたにもおすすめできる逸品です!


 フォーレは以前、エリック・ル・サージュの演奏するノクターン全集でも取り上げております。良かったらこちらもお楽しみ下さい!

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