90 気になったら仲良くしておこう。

 90 Beethoven: Symphonies Nos. 4 & 7
ジョシュア・ベル(指揮)アカデミー室内管弦楽団
Joshua Bell(conductor)Academy of St Martin in the Fields

(リンクから音源に飛びます。)

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 最近COVID-19の影響で、コンサートの動画公開やライブ配信をしているアーティストやオーケストラが増えています。
 出来ることならば公演にも足を運びたいけれども、遠方や外国だったりすると、まだまだ困難も多いため、こういったフル動画で音楽に接する機会が増えたことで、いつもの年よりも(抜粋でない)楽曲そのものを楽しむチャンスも、聴き手としては増えたような印象も有ります。
 こちらは岡本誠司さんのモーツァルトバイオリン協奏曲5番。
 そしてこちらは鈴木秀美指揮・神奈川フィルハーモニー管弦楽団演奏のベートーヴェンの英雄です。(これは私も実演を聴きに行きました。素晴らしい公演でしたので動画で見られるのは非常に嬉しい!)
 この2つは聴き放題関係なく愉しめますので折を見てどうぞ(*^^*)
 …さて今回のお題は、そんな配信ものがきっかけとなっています。
 先日山形交響楽団の「やまぎん県民ホール×山響 ベートーヴェン交響曲スペシャル」という公演のライブ配信を聴いていたのですけども、その時演奏されたベートーヴェンの交響曲第4番に興味を持ちました。
 シューマンが「3番と5番に挟まれたギリシャの乙女」と評したこの音楽、いや今までも何回か演奏会でも聴いているはずなのですけども、よく分からなかったのです。でもこの時は「シューマン絶対好きだったでしょ、この乙女さん!」と心が沸き立ちなんだか「今ならば第4番と仲良くできそう」な気がしたのです^^;
 そう思ったのは以前交響曲第2番ピアノトリオ版でブログでもご紹介した時72 ベートーヴェン交響曲2番、なのにピアノトリオ。もそうなのですけども、演奏時間も長く緻密の塊のような交響曲は一度聴いただけでは自分の中で受け止めきれなかったりする事もままあるため、(それは自分の体調や好みやその時聴いた演奏内容まで色々加味されるのだと思います。実は何度試みても全く克服できてないのが第6番、田園です…。)演奏会やこういった配信、動画などで、あ!素敵だった!また聴きたいな!と感じられた時は音楽により親しみを持てる最大のチャンス。その場で検索して聴き放題で楽曲をもう一度味わったりオーケストラや指揮者の聴き比べで一種「復習」のようなことが出来るのは大変ありがたいと思っています。
 そういった調子で今回は何種類か聴き比べてみて、このジョシュア・ベル指揮、アカデミー室内管弦楽団のものを取り上げてみることにしました。
交響曲第4番変ロ長調 作品60(1806年)
交響曲第7番イ長調作品92(1812年)

  アカデミー室内管弦楽団(ASMF)というと、映画「アマデウス」のサントラが有名ですけども、私はこのオーケストラの創立者でもあるネヴィル・マリナーがとても好きで2016年のアカデミー室内管弦楽団の来日コンサートも聴きに行き感激したことを思い出しました。(ただその時は92歳とは思えない程大変お元気そうでしたけども半年後にお亡くなりになってしまいました。皆さん聴きたいアーティストの方など、チャンスが有る時は本当、直に体感されることをお勧めします…。)

  マリナーさんはASMFを創立され生涯指揮をされておりましたけども、音楽ポストとしての立場は1978年以降別の方に移譲されており、今現在はこのジョシュア・ベルさんが音楽監督なのですね。アルバム全体としても爽やかなので私は交響曲第4番とも仲良くなれそうなのですけども、このアルバムを取り上げたのは実はカップリングの7番にあります。

 なんと言いますか物凄く独自色のある薄い音色(それは薄っぺらいという意味ではなく、むしろ鋭利な感じがします)でテンポの速い響きはとても現代的でスタイリッシュなベートーヴェンに感じられます。第2楽章の葬送のテーマは舞踏のようでもあり、聴く方によっては驚かれる位かも知れませんね。

 でもそういえばマリナーさんの最後の公演の時もメインはこの7番だったなぁ、あの時はここまで速くなかったよな。でもこの録音は2013年のだからその時よりも後なのか…。と個人的な感慨にもふけてしまう一枚だったりもします。

 そういった意味でも一種の「復習」でもありますね。


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