74 F.A.E.ソナタは19世紀のコラボレーション!

74 Reflections 
エリッキ・パロラ(バイオリン)テッポ・コイヴィスト(ピアノ)Erkki Palola (violin)Teppo Koivisto(piano)

(リンクから音源に飛びます。)
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 せっかく前回のブログで大好きな曲の一つ、F.A.E.ソナタを取り上げたのにブラームスのスケルツォ部分だけじゃあまりに勿体ない!私は是非ソナタの全曲を聴いてほしい!と思って聴き放題で探したのですが…あんまりなかったりしました^^;
 著名なバイオリニストが取り上げるのはブラームスの部分だけばかり。がっかりしそうになりましたけども、この音源のF.A.E.ソナタはとても素敵だったので、聴き放題で取り上げることができそうです。

 何せF.A.E.ソナタはディードリッヒ、シューマン、ブラームスの合作という、今で言うところの…コラボレーション作品であり、それだけでもとても興味深いのに殆ど知られていないのは1楽章のディードリッヒさんがあまり有名でないからでしょうか。シューマンとブラームス合作!だったらもっと世に広まっていたのかな…。
 この楽曲は3人の共通の友人であるヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムさんに捧げるために作られました。
 F.A.E.とは”自由だけど孤独に~Frei aber froh”の頭文字(ヨアヒムさんのモットーだったらしい)から取られており、いかにもシューマンの考えつきそうなタイトルのような気がしてしまいます^^;ただシューマンの心の病は既に重く、この3年後に亡くなってしまいますけども…。
 是非合作の面白さをお楽しみいただきたいのですけども、ただアルバムはF.A.E.ソナタ以外の曲目がよく分からず、検索に苦労しました…エリッキ・パロラさんはフィンランド放送交響楽団のメンバーのようです。
 全体の収録曲はこんな感じになっております。
・F.A.E.ソナタ(ディードリッヒ、シューマン、ブラームス。1853年作)
1楽章 アレグロ(ディードリッヒ)
2楽章 間奏曲(シューマン)※シューマンヴァイオリン・ソナタ3番では3楽章に
3楽章 スケルツォ(ブラームス)
4楽章 フィナーレ(シューマン)※シューマンヴァイオリン・ソナタ3番も4楽章
・ヴァイオリン・ソナタロ短調(レスピーギ 1916~17作)
・ノットルノとダンス(エイノユハニ・ラウタヴァーラ 1993年)
 そうかぁ、曇り空のような灰色をたたえたような音楽はレスピーギだったのか…と知るのに結構時間がかかってしまいました。もう一つのラウタヴァーラはフィンランドを代表する現代音楽作曲家で、この音楽だけならばむしろ親しみを感じるので、また彼の作品を探して聴いてみようかなと思います。

 尚、シューマンがF.A.E.ソナタを用いて更に自作し、ヨアヒムに渡されたものの彼の死後100年経ってから世に出たシューマンのヴァイオリン・ソナタ3番イ短調(1853年)となります。2人のアーティストに刺激されサクッと作り上げたみたいですが、なんというかまた随分と心に秘めた情熱と悲壮感が合わさった音楽になっているように思います。
 こちらにについてはゴルダン・ニコリッチ(バイオリン)エリック・ル・サージュ(ピアノ)の音源からどうぞ。
 (音源では”Sonate pour violon et piano in A Minor, Op. posth.”となっています。)
 よく切り取られるブラームスのスケルツォ部分と、F.A.E.ソナタ全曲と、シューマンのヴァイオリン・ソナタ3番は聴き比べてみる価値があるように思いますし、私はどれもとても好きです。(是非後者2つは演奏会でも楽しめる機会が増えると良いなぁ…)
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※最近すみません、音源にリンクを付けるのをすっかり忘れてました^^;音源冒頭にAmazonMusicUnlimitedの直リンクを貼っていますので(尚、画像は参考に貼ってますがこれは広告ですので念の為。)会員の方はそこから飛んでお楽しみ下さい。

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