62 モーツァルトとタンゲンテンフリューゲル。


62 Mozart, W.A.: Violin Sonatas Nos. 18-23 

アントン・シュテック(バイオリン)マリエーケ・スパーンズ(タンゲンテンフリューゲル)Anton Steck(Violin)Marieke Spaans(Tangentenflügel)

(リンクから音源に飛びます。)
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 前回小倉貴久子さんの演奏で楽しませていただいた世界最初のピアノ、クリスト-フォリに続いて、今回はコンサートで登場したもう一つの楽器、タンゲンテンフリューゲルについて取り上げたいと思います。
 最近(本当に最近の話です)復元楽器がチェンバロ制作家の久保田彰さんによって作成されたので(久保田さんはこのコンサートにおけるクリスト-フォリの復元楽器も制作されました)今後この楽器による素敵な演奏を聴く機会が今までよりは増えるかもしれません。というのもタンゲンテンフリューゲル、現存がこれまた少ない上に、日本には1台しかないからです。

 タンゲンテンフリューゲルはものすごく乱暴に書いてしまえば「チェンバロにも通じる音を奏でながらも、チェンバロにない、鍵盤タッチによる音の強弱を図れる楽器」であり、ペダル使いもでき、フォルテピアノの音色とも異なるきらびやかでありながら優しい音を奏でる楽器です。このあたりは是非実物で聴いていただきたいと思うのですが…果たして聴き放題にそんなものがあるのか??とTangentenflügelで検索したら…あるにはあったのですが、
「え、これ、インタビュー???」
 と驚いてしまいました。というのも最初に聴いたときは誰かが延々とドイツ語?で喋っているだけでしたから…^^;でもこのアルバムをちゃんと表示させたら、このモーツァルトのバイオリン・ソナタ集が登場しました。

バイオリンソナタ第23番ニ長調K.306 
バイオリンソナタ第20番ハ長調 K. 303
バイオリンソナタ第21番ホ短調 K. 304
奏者インタビュー
バイオリンソナタ第22番 イ長調 K.305
バイオリンソナタ第18番ト長調 K. 301
バイオリンソナタ第19番変ホ長調 K. 302
奏者インタビュー
(全曲作曲は1778年)

 2枚組でモーツァルトの著名なバイオリンソナタ18~23番まで収められています。2枚それぞれ巻末にインタビューが収録されていて、何故かそちらだけが検索に現れたんですね…
 しかしこのアルバムとても素晴らしいです!モーツァルトはタンゲンテンフリューゲルを好んで使用していたという逸話があるようですけども、まさにぴったり!!
 録音物でこんなに軽快にとても楽しくモーツァルトが聴けるだなんて!と喜びに満ちた演奏が繰り広げられています。
 またアントン・シュテックさんのバイオリンもとても素敵なので、今後彼の他の演奏からもなにか取り上げてみたいな!と新しい出会いに嬉しくなりました。

 タンゲンテンフリューゲルを歴史から忘れられた楽器にするだなんて勿体ない。モーツァルトの音楽にもとても寄与したとされる存在ですから、是非今後とも日本各地でその音色が響いてくれるといいなと心から思います。

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