41 交響曲第二番。

41 岸田繁「交響曲第二番」初演(Select)

広上淳一(指揮)/京都市交響楽団
 Sigeru Kisida/Jyunichi Hirokami/Kyoto Symphony Orchestra
(リンクから音源の頁に飛びます。)
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 やはりアマゾンの商売力…いや規模感は大層なもので、今日もちょっとのつもりで新着を見ていてらあったのがこちら。
 日本の人気ロックグループ、「くるり」のフロントマン、岸田繁さんが自ら交響曲を書き上げ、広上淳一さんと京都市交響楽団で演奏されたことは2016年の初タッグ時から大変話題になっており、私もそのニュースそのものは知っていました。
 彼の最新盤「交響曲第二番」がリリースされ、そういえば今月のぶら○ぼで大絶賛レビューがあった(ように私は思えた)こともあり、せっかく聴き放題にあるんだから聴いてみなきゃ!ということに…。
 
 さて、へっぽこな感想の前に…。
 この音源自体は”Select”とあるように、抜粋であり、交響曲二番(全曲)しか収められていません。
 セル版には彼の楽曲
・管弦楽作品集「フォークロア・プレイリスト1」より (抜粋) 弦楽五重奏のための古風な舞曲「あなたとの旅」 (管弦楽版)
・. 管弦楽作品集「フォークロア・プレイリスト1」より (抜粋) オーケストラのための序曲「心の中のウィーン」
2曲が他に収められています。恐らくくるりのファンにとっては岸田さんの楽曲をもっと聴きたいから、ということになるのかと思います。

 ところがこの「フォークロア・プレイリスト1」も同時に聴き放題として公開されているのです。(やはりリンクから音源の頁に飛びます。)
 岸田繁「フォークロア・プレイリスト I」
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こちらはセル盤に収められている上記2曲に加えて、バルトーク、ショスタコーヴィチ、ヴィラ=ロボスの楽曲も同時に収録されています。恐らくタイトルからも岸田さん選曲なのでしょうか。
 
 そういう訳で結果として聴き放題でもこの2枚を聴けばセル盤と同じ楽曲+アルファを聴けることになります。そして分割公開したことが正直良くわからないのです。
 はっきり書くと、交響曲二番だけでは…ちょっとキツい(^_^;)
 いや交響曲なんて誰でも生み出せるわけじゃないし、殆ど色々な手法がやり尽くされている現代ではそのチャレンジ自体は物凄いと思うのですけども、それでも(くるりのファンは納得できたとしても)「通りがかりのクラシックファン」が聴き放題で試してこれでよし、他の音源聴いてみようとか、コンサートに行ってみようとか思うのかな…というのが正直なところです。
 でもこの「フォークロア・プレイリスト1」はもっと彼が表現したい印象が見えてきます。自作と共に取り上げた作曲家たちの世界と合わせて2枚まとめて聴けば「アーティストの演奏会的な感じで」もう少し納得がいったように思います。でも分割公開されてしまっているのですよね…
 更に。先にも書いたようにセル版は今度は「フォークロア・プレイリスト1」が抜粋扱いになってしまって今度は先人たちの楽曲がカットされてしまっています。折角彼が表現したかったものとして提供しているのに、アーティストの楽曲じゃない=バンドファンにはあまり関係ないということでオミットされたのだとしたら大変残念です。
 きっかけは岸田さんの楽曲であっても、彼の指し示してくれた音楽からまた新しい出会いが生まれるかも知れないのにね…

 そんな感じですが、もし良かったらくるりのファンもクラシックファンも、「フォークロア・プレイリスト1」→「交響曲第二番」の順番で聴いてみたらいかがでしょうか。
 東京では中々聴けない京都市交響楽団の美音も堪能できますよ!
 

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