40 シュレーターという作曲家のコンチェルト

40 Mozart - Schröter Piano Concertos

イヴァン・マルティン(ピアノ)/ガルドス・アンサンブル
 Ivan Martin/Galdos Ensemble
(リンクから音源の頁に飛びます。)
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 昨日は初台・近江楽堂へ。新宿のお隣、初台といえばクラシックファンにはお馴染み東京オペラシティと新国立劇場という大きな舞台が駅そばにあるのですが、東京オペラシティ内には幾つかホールが有り
・題名のない音楽会収録やオーケストラ定期公演があるタケミツメモリアル(オペラシティと言うとこちらを指すのが一般的か)
・室内楽や独奏向けのリサイタルホール
 そして、この
近江楽堂になります。(以前調べたらこの近江という名は、オペラシティ地主さんのゆかりの地らしい…す、凄い。)
 近江楽堂は100席を置けば満パンな感じ、しかし東京というよりもどこかの旅先で遭遇した聖堂の中を思わせる小さなホールです。小規模なリサイタルや、古楽系演奏によく使われます。

 この近江楽堂を舞台に定期的にコンサートを行っているのが小倉貴久子さん「モーツァルトのクラヴィーアのある部屋で、モーツァルトと、「彼が生きた時代や影響を受けた作曲家」、毎回二人の作曲家を同時に取り上げるコンサートを行っています。
 小倉さんの楽しいレクチャーつきの大変ユニークな公演で、私は毎回足を運ぶことをとても楽しみにしているのですけども、モーツァルトは大変有名なれど、コンサートによってはまるでお名前を聴いたことのない作曲家もよく登場します。
 昨日の第36回公演に取り上げられたのがヨハン・ザムエル・シュレーターという作曲家でして…お読みになられている皆様はご存知でしょうか。私は全く知りませんでした(^_^;)
 しかしモーツァルトは彼の協奏曲4曲にカデンツァを書いており、(直接、間接かはわかりませんが)縁があるようです。(彼は音楽家一家で、姉コロナは大変優れた&美貌の歌手であのゲーテが熱狂的に支持したとか、また奥様レベッカもこれまた大変な美人で、ハイドンが自分が結婚していなかったら彼女と結婚したかった、と話しピアノトリオ第25番”ジプシー”を献呈しているという面白エピソードもあり、当時は今よりもっともっと有名な方だったと思われます。)
 今回はこんな曲目でした。
・ロンドンのスケッチブックより、小品ヘ長調K.15(モーツァルト)
・バイオリンとバス付きのクラヴィーアソナタニ長調 作品2-1(シュレーター)
・ディヴェルティメント 変ロ長調K.254(モーツァルト)
・コンチェルトハ長調作品3-3(シュレーター)
・クラヴィーアとバイオリンのためのソナタト長調K.301(293a)(モーツァルト)
・クラヴィーアとバイオリンのためのソナタト長調作品4-5(シュレーター)
・クラヴィーアとバイオリン、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲 ト短調K.478
(モーツァルト)


 モーツァルトの天才ぶりが改めてよく分かり唸る2時間であったものの(特に最後の曲は有名ながら、音の重なり方とかモーツァルトならではの緻密さと大胆さが凄い!とものすごく認識させられました。このあたりは実演で是非ともご確認いただきたいです。)
 一方シュレーターのコンチェルトもこれまた爽やかな音楽であったのが大変印象的で、これはもっと知られべき作曲家ではないのか?と思いました。
 このブログで以前ご紹介したことのあるヨーゼフ・マルティン・クラウスもこの「クラヴィーアのある部屋」で知りました。モーツァルトと同時代人のあたりだけでもまだまだ知らない素晴らしい音楽が沢山あるのだなぁ…とこのコンサートシリーズを通じて気がつかされ、いつも勉強になります。
 ※この「小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーアのある部屋」次回は5月2日にゲストにバイオリンの廣海史帆さんを迎え同じく近江楽堂で行われます。お近くの方はぜひ一度。フォルテピアノとともに室内楽の愉しさが繰り広げられますよ!
 この時モーツァルトと一緒に取り上げられる作曲家は「ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル」ご存知ですか皆さん?(^_^;)やっぱり私知らないのであとで予習したいと思います…。

 さてここからは今回取り上げた音源についても。
「シュレーター、帰ってから復習だ。ちゃんと聴いてみよう、でもアマゾンにあるかしら?」と思いつつ調べたら…数少ないけども幾つか聴き放題にもありました!
 有名所ではマライ・ペライアも彼のコンチェルトを弾いていたりもするのですね…。
(だったらもっとシュレーターの音楽が知られていても良いですけども、難しいものなのですね)
 検索した中から幾つか聴いてみました。シュレーターを取り上げた音源はフォルテピアノ演奏のものもあったのですけども、今回はこの1枚が昨日の演奏会でも盛り上がったシュレーターのコンチェルトハ長調3-3に加え、モーツァルト協奏曲とのカップリングであること、端正な演奏かつ、現代のピアノであっても相当時代の雰囲気を伝えようとしていると感じられたので、取り上げてみました。
(逆にここまで持ってこられるのであれば、もうフォルテピアノで演奏すればいいのにという気すらした程です…)
 ジャケットからして随分ハンサムさんなのにあら!意外。と変な驚きでしたけども(^_^;オイ)調べてもこの方のプロフィールがまるで分からなくて別の意味でご紹介に苦労した1枚でもあります。
 結局私にはイヴァン・マルティンさんはスペインの方だということしか分かりませんでしたけども、でも調べてたらこんな動画もあるじゃないか!是非とも誰か日本に呼んで欲しいものです…。

 
 さて今回も4枚集まりましたのでプレイリスト化しました。このシリーズもその10まで来ましたけども、今度の4枚はどういうわけだか「イケメンぞろいのジャケット写真」ばかりが集中しました(^_^;)いえ、顔では選んでおりませんよ…とはいえどうぞ、お楽しみ下さい!

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